財務諸表の作成
損益計算書の作成
簿記的には、損益勘定自体が損益計算書と考える事ができます。しかし財務会計としてはきちんと定められた報告書式に合わせないといけませんので、損益勘定の内容を財務会計として定められている損益計算書の書式に合わせて行きます。
損益勘定は、簿記としての損益計算書
損益計算書は、損益勘定を財務会計の報告様式にそって表現し直したもの
これを抽象的に捉えて、次のようにイメージする事が大切です。
このイメージが自然と思い浮かべられるようになる事は、仕訳を身に付けるためには重要です。簿記の仕訳で使用する勘定科目は、資産、負債、純資産(資本)、収益、費用に分類され、最終的に貸借対照表と損益計算書に集計して表示されます。その表示される位置(借方か貸方)がわかれば、その勘定科目の残高が増加する時に、仕訳を借方と貸方のどちらに書けば良いのか簡単に判断できるようになります。その勘定科目の残高が減少する際には増加する側の反対側に書けば良いだけです。
仕訳は集計され最終的に貸借対照表と損益計算書が作成されます。これが簿記の一巡になるわけですが、貸借対照表と損益計算書はそれぞれ独立している報告書ではなく、表裏一体の報告書である事を理解して下さい。
貸借対照表は、ある時点の企業の財産の状態を表した報告書ですので、時間軸で考えるとある一瞬を切り取った"点"の報告書だと言えます。一方で損益計算書は、ある一定期間の利益を計算した報告書ですから、時間軸で考えると開始と終了があり"線"の報告書だと言えます。
期間損益計算とは、永遠に続く線で表される時間を、任意の期間で区切って利益を計算する事であり、それを適正に行うために(任意で区切った期間を連結するために)貸借対照表が存在すると考える事ができます。
発生主義会計の考え方に基づき、適正な期間損益計算は行うためには、損益計算書で利益を計算するだけでなく、収益や費用を適正な期間に繰延する事ができる貸借対照表の存在が必要不可欠なのです。